柿なます
最近「太陽くん」を装った柿が出回っているみたいですが、実は、ゴメンなさい。柿あんまり好きじゃないんです。あー、言ってしまった…干し柿はなおさらダメ。何ででしょう、酸味がなくてぬるっとしたフルーツがだめなんです。子どもの頃は一切口をつけませんでしたが、大人になってからは一応出されたものは食べるくらいには成長しました。最近ではものすごく高級な柿は美味しいと思えるようになって来ましたが、干し柿とじゅくし柿(って言いますか?実が柔らかくなってゼリー状になっている柿)はパスです。あまり言うと、親切な人が柿を持ってきてくれたら困るので、周囲にはひたすら隠しています。
ところが、こんな私が唯一喜んで食べる柿の料理、それが↓柿なますです。
大根とにんじんの酢の物「紅白なます」のにんじんを柿に変えたものです。昔大量に柿をいただいた時に、何とか食べようと、いろいろな料理に柿を入れて実験したことがありました。その中で、なますに柿を入れてみるとこれが、色的にも味的にも最高。柿の甘味が酢の中に溶けだして、酢の味がまろやかになってそれ以来病みつきになりました。その時は、こんな素晴らしい料理を発見した自分に酔いしれて、何かのコンテストに応募してやろう!なんて思っていたのですが、和食の本を見ていると普通に「柿なます」と紹介されていました。ま、自分が思いつくことくらい先人が思いついていて当然だと納得。食文化は深いと痛感しました。
ところで、昨日NHKの「言葉おじさん」という短い番組で、日本語は食感を表現する言葉が、欧米語や中国語よりも3~4倍もあるという話をしていましたが、確かにそうだなと思います。5歳のコドモ①は最近「中からジュワーっと汁が出てくるものが食べたい」と言います。どこでそんな表現覚えたのか知りませんけれど。そう言えば、昔中国人の留学生が「外がサクサクとして、中がトロトロっとして」と日本のグルメレポーターばりの擬態語を駆使して食べ物の表現をしていたのを思い出しました。
最後に、柿なますについて、美味しんぼ風にまとめておきます。
「大根のシャリシャリ感と柿の柔らかさが混然一体となって口の中でハーモニーを奏でている。加減酢の中に溶けだした柿の甘味が全体を包み込み、すり胡麻の香りがアクセントを添えている。まったりしていながら、それでいてしつこくなく、箸休めにぴったりの料理だ。」
表現自体がくどくてしつこいです
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